建物の登記事項証明書を取得するには、家屋番号を知る必要があります。

その建物の住所が分かっていても、必ずしも住所は家屋番号と一致していませんので、建物の登記事項証明書を取得できなくて困る場合があります。

そのような場合に必要な建物の家屋番号を調査し、登記事項証明書を取得する方法をご説明いたします。

家屋番号の定め方

1筆の土地の上に1個の建物が存する場合、敷地となる土地の地番が家屋番号になります。

1筆の土地の上に2個以上の建物が建っている場合は、敷地の地番の後に「の1」「の2」という支号をつけたものが、家屋番号となります。  例えば、敷地の地番が「6番1」であるときは、「6番1の1」,「6番1の2」が家屋番号になります。

2筆以上の土地にまたがって1個の建物が建っている場合は、「主たる建物の所在する土地の地番」又は「建物の床面積が多くかかっている土地の地番」が家屋番号になります。

不動産登記事務取扱手続準則 第79条(家屋番号の定め方)

1 家屋番号は,規則第112条に定めるところによるほか,次に掲げるところにより定めるものとする。
一 1筆の土地の上1個の建物が存する場合には,敷地の地番同一の番号をもって定める
(敷地の地番が支号の付されたものである場合には,その支号の付された地番と同一の番号をもって定める。)。
二 1筆の土地の上2個以上の建物が存する場合には,敷地の地番と同一の番号に,1,2,3の支号を付して,例えば,地番が「5番」であるときは「5番の1」,「5番の2」等と,地番が「6番1」であるときは「6番1の1」,「6番1の2」等の例により定める。
三 2筆以上の土地にまたがって1個の建物が存する場合には,主たる建物(附属建物の存する場合)又は床面積の多い部分(附属建物の存しない場合)の存する敷地の地番と同一の番号をもって,主たる建物が2筆以上の土地にまたがる場合には,床面積の多い部分の存する敷地の地番と同一の番号をもって定める。

なお,建物が管轄登記所を異にする土地にまたがって存する場合には,管轄指定を受けた登記所の管轄する土地の地番により定める。

以上のような家屋番号の決め方のルールがありますので、敷地の地番が分かれば、家屋番号はある程度推測がつきます。

また、一般社団法人民事法務局協会が運営している登記情報提供サービスというホームページで、敷地の地番が分かっていれば、その敷地上建物の家屋番号を調べることもできます。
登記情報提供サービス

このホームページで利用者登録すれば、不動産の登記事項証明書などの登記情報をPDFファイルでダウンロードできるサービスを受けることができます。

敷地の地番から家屋番号を検索する方法

不動産請求画面の「土地からの建物検索指定」を選択します。

「土地からの建物検索」ボタンをクリックします。

都道府県・所在を選択→地番を入力して、「建物検索」ボタンをクリックします。

入力した敷地上にある建物の家屋番号が表示されます。

敷地の地番が分からない場合

住居表示実施地域で、建物の住所と敷地の地番が異なるため、地番が分からない場合、建物の住居表示(○○番○○号)から敷地の地番を調べる方法については、以下の記事をご覧ください。
☞ 【Q&A】地番(〇〇番地〇〇)と住居表示(○○番〇〇号)の違いを教えて下さい。
☞ 【Q&A】住居表示から地番を特定して、不動産登記事項証明書を取得する方法を教えて下さい。

敷地の地番が分かっていても、家屋番号を検索できない場合

以上の方法により、9割以上は登記情報提供サービスを利用してパソコンから家屋番号を調べることができます。しかし、まれに敷地の地番が分かっていても家屋番号を特定できない場合もあります。

敷地の合筆

「建物の敷地」と「敷地と隣接している同一所有者の土地」を合筆し、敷地の地番が消滅した場合、敷地から家屋番号が検索できなくなります。

建物の敷地に合筆があり、実質的に建物の敷地番が変わった場合でも、建物登記簿の所在欄の敷地番は自動的には変更されません。

実際の状況と合わせるためには、建物所有者から所在変更登記を申請しなければいけません。

このような所在変更登記を申請されていない建物の家屋番号は、登記情報提供サービスによる検索はできません。

敷地の分筆

建物の敷地が分筆され、新しい地番の上に建物が建っている場合も、合筆の時と同じように自動的に建物登記簿の所在は変更されませんので、登記情報提供サービスによる検索では家屋番号が分からない状態になります。

実務的には、地主さんが所有している広い1筆の土地の上に、借地人名義の建物が建っている状態から、借地人が底地を買い受けることになったため、広い1筆の土地を分筆して借地人へ所有権移転登記をするような場合に、このような地番と家屋番号のズレが発生したりします。

行政による町名地番の変更

建物の敷地が、区画を整理するなどの理由で、町名と地番が変更される場合があります。

土地の登記記録については、自動的に(登記官が職権で)町名と地番の変更手続きが行われるのですが、それに伴って、建物の登記記録の所在欄が自動的に変更されることはありません。

建物所有者からの所在変更登記が必要となります。

電子化不適合簿

登記簿がコンピューター化される前の時期に登記された建物で、何らかの理由によりコンピュータ移記が出来なかったものは、電子化不適合簿(いわゆる事故簿と言われます)として、従来の縦書きの登記簿のままになっている場合があります。

町名地番の変更等を経た結果、登記簿の建物所在欄の表示が、現状と異なるものになってしまった建物の登記簿も、電子化不適合簿となっている場合があります。

電子化不適合簿は、そもそも電子化されていないので登記情報提供サービスでは検索できませんし、管轄法務局以外の法務局から交換システムで取得することもできません。

管轄法務局に行くか、郵送で取得するしかないのですが、職員の方に探してもらうのにも非常に時間がかかることが多いです。

また、このような建物登記簿について、例えば相続登記を申請した場合、登記識別情報ではなく権利書が発行されますし、インターネットによるオンライン申請もできません。

他の電子化されている物件と完全に手続きが違うので、相続登記も他の物件とは別に申請しなければならないので、注意が必要です。

ポイント

以上のように、建物の登記記録ができた後で、敷地の地番に何らかの変更があった場合、家屋番号が敷地の地番から推測できずに、調査が困難になりますが、敷地の地番の変更履歴を遡れば、家屋番号を突き止めることは可能です。

その建物の管轄法務局へ行けば、すべての資料が揃っていますので法務局の職員の方に探してもらえます。

未登記建物

建物は実際に存在しているのに、管轄法務局へ行って調査しても、どうしても建物の家屋番号が分からない場合は、未登記建物の可能性があります。

建物の所有者が建物表題登記を申請しておらず、建物の登記記録が存在しないのですから、法務局でいくら調査しても見つかりません。

建物が未登記であっても、市区町村の固定資産税課では、独自に航空写真などで定期的に課税物件を調査しているので、その建物の状況を把握している場合があります。

固定資産税評価証明書や固定資産税の納税通知書課税明細欄に、対象の建物が記載され、その家屋番号欄が空欄であれば、未登記建物であることが確認できます。

固定資産税評価証明書は、所有者からの委任状がなければ取得できませんし、固定資産税の納税通知書も所有者に送付されるものですから、未登記建物に関する調査は所有者からの依頼や協力がなければできないでしょう。