一般の方が住所を記載される場合、大阪府東大阪市足代「3-1-7」といった簡略的な表記をよくされます。
しかし、ご自分の住民票を見ればお分かり頂けると思いますが、正式な住所としては「三丁目1番7号」または「三丁目1番地7」いずれかの形式で、記載されているはずです。
「三丁目1番7号」は「住居表示による住所の表記」で、「三丁目1番地7」は「地番による住所の表記」になります。
地番表記の場合「三丁目1番地の7」というように「の」が入る市区町村もあります。
マンションの場合「三丁目1番7-408号」と部屋番号を「-(ハイフン)」でつないで表記する場合があります。
住居表示とは
住居表示とは、1つ1つの建物に対して、市区町村等の自治体が一定の規則に基づいて住所となる番号をつけたものです。
住居表示が実施されていない地域、あるいは住居表示実施地域においても住居表示実施以前は、すべて「土地の地番」を基準として住所の表記が決められていました。
しかし、土地の地番は、土地の所有者からの分筆・合筆などの申請により、新たな地番が発生したり、既存の地番が消滅したりするため、住所が順番に並ばず、時の経過とともに地番の並びが混乱して住所(地番)からその場所を探すのが難しい状況になってきます。
郵便の配達が困難になったり、災害時に緊急車両の到着が遅れるなど、社会的にも不都合が生じます。
そこで、住居表示に関する法律(昭和三十七年五月十日法律第百十九号)が施行され、住居表示が実施された地域では、市区町村が一定の規則に基づいて住所となる番号を建物に対して順番につけていきました。
このような行政による住居表示の実施手続きにより、引っ越してもいないのに、住所の表記が変わったことを経験された方もおられると思います。
大阪市の住居表示実施基準
住居表示の実施は、都市部から行われる傾向があり、大阪市は全域で住居表示が実施されています。
連番を振っていく一定の基準は各自治体により定められていますが、大阪市の住居表示実施基準では大阪城に一番近い街区の角を1番として、右回りに連番が振られていくシステムになっています。
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3 街区符号のつけ方
街区符号は、数字を用い、大阪城にもっとも近い街区を起点として、連続蛇行式により順序よくつけるものとする。
4 住居番号のつけ方
(1) 住居番号は、住居表示台帳として作製される地図に基づいて次の基準により建物その他の工作物(以下「建物等」という。)につけるものとする。
ア 大阪城に近い街区の角を起点として原則として右廻りに街区の境界線をあらかじめ本市で定める一定の間隔(以下「フロンテージ」という。)に区切り、住居番号の基礎となるべき番号(以下「基礎番号」という。)を当該間隔に順次つけるものとする。
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以上のように、住居表示と地番は異なるため、ある不動産について「住居表示の番号」が分かっても、地番が分からないため不動産を特定できず、登記事項証明書を取得できないことがあります。
不動産の登記事項証明書をあげるための地番が分からず、お困りの場合は、以下の記事を参考になさって下さい。
☞ 【Q&A】住居表示から地番を特定して、不動産登記事項証明書を取得する方法を教えて下さい。