登記簿上の地積

土地の登記事項証明書(登記簿謄本)には、「地積」が書かれています。

近年に測量が行われ、地積更正登記が行われた土地や、土地分筆登記が行われた分筆地の場合には、正確な面積が登記されていると考えられます。

地積更正登記

分筆登記

しかし、それ以外の土地の場合には、ずっと昔の精度の低い測量の値や、意図的に少なく申告された値などを基に、地積が算出されていることが多く、実際に測ってみるとかなりの差が出ることも珍しくありません。

このような土地の取引を行う場合に、土地一㎡あたりの単価を決め、実際に測量して、売買代金を算出する方法を「実測」取引と呼んでいます。

これに対し、測量を行わず、登記簿上の地積を参考にその土地の値段を固定的に決める方法を、「公簿」取引と呼んでいます。

実測取引による土地売買契約書の記載例

第2条(売買代金)
本件土地の売買代金は次のとおりとする。
金○○○円(1平方メートルにつき金○○○円とする実測売買)

第3条(売買代金の精算)
本件土地の実測の結果、末尾記載の登記簿上の表示面積と異なる場合は、その差分について、1平方メートルにつき第2条記載の単価を乗じた額を増減し、売買代金の支払い時に精算するものとする。

公簿取引による土地売買契約書の記載例

第2条(公簿売買)
本件土地の売買面積は、末尾記載の登記簿上の表示面積によるものとし、本件土地の登記簿上の面積と実測面積とが相違した場合であっても、売主および買主は相互に相手方に対し売買代金の増減等の異議申立を行わないものとする。

 
土地の測量を行うには費用や時間がかかることも考慮して、売主買主の合意により、どちらかを選択することになります。

「公簿取引」で契約した場合には、実際の面積が、登記地積より広かったり、狭かったりすることが分かったとしても、売買代金の追加や減額を請求することは出来ません。

契約内容の文言の意味を理解し、納得したうえで、契約に臨むようにして下さい。