叔母さんの八尾市のマンションと預貯金を相続し、マンションの売却代金と預貯金を相続人全員で分配した事案
※情報保護のため、事例の設定は変えてあります。
ご相談の内容
八尾市に住む叔母が、先日85歳で亡くなりました。
叔母は生涯独身で、子供がいませんでした。
叔母の兄弟も、長男である私の父を含め、全員既に亡くなっており、法定相続人は、叔母にとっては甥、姪にあたる私を含む5名です。
晩年の叔母は、体のあちこちが悪くなって、入退院を繰り返していましたが、比較的近くに住んでいる私の家族が、何かと叔母に関わって、最期には叔母の葬儀も執り行いました。
そのため、私がかなりの金額を立て替えたり、負担しています。
叔母の財産は、暮らしていた古いマンションの他に、預貯金が1,000万円くらいあるように聞いています。
空き家にしておく訳にもいかないので、叔母のマンションについては、できれば売却し、私がこれまでに負担している費用などを返してもらって、残るお金は他の相続人と均等に分けたいと思っています。
しかし、従兄弟である他の相続人は、それぞれ忙しくしているようで、積極的な協力は望めそうにありません。
私が叔母にしてきたことは、分かってくれているとは思うのですが、叔母の件に関して、私が何かいいようにしたと思われるのではないかと気になります。
これから従兄弟たちと、どのように話をしていったらよいか悩んでいるので、力を貸して頂ければ助かります。
当事務所の対応
A雄さんは会社に勤務されているため、木曜日の午後6時半にご予約のうえ、事務所にお越し下さいました。
司法書士がこれまでのご事情をお伺いし、叔母様の相続についてのご希望や、心配に思われている点などをお聞きしました。
まず不動産については、売却する前提として、必ず相続登記をしなければならないことをご説明しました。
叔母様は、遺言書などは残しておられないとのことです。
法定相続分どおりに登記を行うと、相続人5名全員が売買の当事者として、契約書に署名をしたり、代金決済に出席したりして頂くことになります。
ご提案内容
今回のケースでは、そのような形での不動産の売却は、事実上難しいと思われますので、下記のような方法をご提案しました。
不動産については、A雄さんが代表で相続し、売却して換価する。
預金など他の財産も、A雄さんが代表相続人として相続手続きを行う。
不動産の売却代金と、預金等の遺産の総額から、A雄さんがこれまでに叔母様のために立替えて支払った費用や、葬儀費用、不動産の売却や相続手続きにかかる諸費用を差し引き、その残額を各5分の1ずつの割合で分配する。
以上の計算を明確にする精算表を作成し、各相続人が確認したことも書面で残しておく。
上記の内容に相続人全員が賛成した場合、これらの内容を当事務所で、「遺産分割協議書」という書面にします。
他の相続人の方は、後日その書面への署名捺印と、印鑑証明書1通を提出して頂ければ、精算後に確認をして、分配金を受け取って頂くだけで手続きができることをご説明しました。
署名・捺印
印鑑証明書を提出
分配金を受け取って頂く
A雄さんは上記の方法であれば、他の相続人も賛成して貰えそうで、今後のご自分にかかる労力や精神的な負担も軽減されると、とても安心されたようすでした。
正式なご依頼
2週間後、A雄さんからご連絡があり、従兄弟たちから快く了承してもらったので相続フルサポートプランで、かつ精算表の作成などの作業もお願いしたいとのお返事を頂きました。
早速、当事務所では下記の作業を並行して進めました。
戸籍等の相続証明書類をはじめ、固定資産税の評価証明書など必要な証明書類を手配しました。法定相続人は、お伺いしたとおりの5名と確認できました。
預金口座のある3つの銀行の相続センターと連絡をとり、必要な書類一式を送ってもらうとともに、打ち合わせをしました。
相続税、譲渡所得税などの税についての検討を行いました。
税金に関する検討
相続財産の総額は、相続税の基礎控除(このケースでは6,000万円)の範囲内で、申告も納税も必要がないと考えられました。
譲渡所得税については、取得価格が非常に高く、今の相場では譲渡益は出ないと考えられ、こちらも特に手続きは必要なさそうだとわかりました。
押印書類の作成・送付
不動産の登記と銀行の相続手続きがスムーズに進むよう、また、税務上や相続人間での問題がおこらないよう、十分に内容を精査して遺産分割協議書を作成し、郵送させて頂きました。
遺産分割協議書は、10日ほどで署名捺印したものをご返送頂き、まず不動産についての相続登記を申請しました。
登記は約1週間で完了しましたので、A雄さんにご署名頂く銀行関係の書類とまとめて、登記完了書類を書留郵便でお送りしました。
不動産の売却については、A雄さんのお知り合いの不動産業者を通じて売却されるとのことでした。
4か月後に売買契約が成立、その2か月後に代金決済をされました。
その間当事務所では、3つの銀行に対し、順次相続手続きを行いました。
不動産の売却と預金の相続手続きが終わった時点で、不動産売買と預金相続に関する領収書などの各種の資料を持って、A雄さんに事務所にお越し頂きました。
精算手続き
資料を整理して、当事務所で精算表を作成し、相続人お一人あたりの分配金が計算できました。
「精算表 兼 確認書」を作成し、相続人全員にお送りして署名捺印をもらい、その後、A雄さんから各相続人に振り込みをして頂き、一連の手続きは終了しました。
このような「精算表 兼 確認書」を作成することにより、遺産分割協議書に沿って、正確に精算手続きが行われたとを、他の相続人の方にもご理解いただけます。
計算内容や分配金の額を確認して、署名・捺印を頂くことにより、後日の争いが未然に防げます。
ご相談から完了までの期間は8か月、費用は、登録免許税が6万円、証明書等の実費が1万5千円、報酬28万円に消費税が加わって、合計37万7400円でした。
相続フルサポートプラン (上記参考事例の場合のご費用)
登録免許税 (実費) | 60,000円 |
証明書(戸籍謄本) 等の実費 | 15,000円 |
報酬 | 280,000円 |
消費税 (8%) | 22,400円 |
合計 | 377,400円 |
お得な相続フルサポートプランのご説明、詳しいご依頼の流れについては、こちらのページでご説明していますので、ご確認下さい。