登記識別情報の失効制度
登記識別情報は登記名義人となった者に通知されるパスワードです。
盗難や紛失により、他人に知られた場合には、パスワードを失効させる制度があります。
(物件・住所・氏名・パスワード等は架空のものです)
1 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一 申出人の氏名又は名称及び住所
二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名
三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四 申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
イ 不動産所在事項又は不動産番号
ロ 登記の目的
ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別
登記識別情報を失効させると、盗難者等からの虚偽の登記申請を防ぐことができます。
ただし、失効させた登記識別情報は再発行されませんので、本人から登記申請を行う際には、登記識別情報が提供できない場合の手続きによることが必要になります。
詳しくは、「【Q&A】権利書・登記識別情報がないと、登記ができなくなるのですか?」をご覧ください。
不正登記防止申出制度
権利書が盗難にあった場合などに、法務局にその旨を届出することによって、その権利書を使った登記申請が行われた場合に、法務局から通知を受けることができる制度です。
但し、申出をしてから3ヶ月という有効期間が設けられているので、引き続き制度を利用するためには、法務局に不正登記防止の申出を繰り返し行わなければいけません。
不正登記防止申出書の見本
1 不正登記防止申出は,登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)が登記所に出頭してしなければならない。
ただし,その者が登記所に出頭することができない止むを得ない事情があると認められる場合には,委任による代理人が登記所に出頭してすることができる。
2 不正登記防止申出は,別記第53号様式又はこれに準ずる様式による申出書を登記官に提出してするものとする。
3 前項の申出書には,登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人が記名押印するとともに,次に掲げる書面を添付するものとする。ただし,登記申請における添付書面の扱いに準じて,次に掲げる添付書面を省略することができる。
一 登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)の印鑑証明書
二 登記名義人又はその一般承継人が法人であるときは,当該法人の代表者の資格を証する書面
三 代理人によって申出をするときは,当該代理人の権限を証する書面
4 登記官は,不正登記防止申出があった場合には,当該申出人が申出に係る登記の登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人本人であること,当該申出人が申出をするに至った経緯及び申出が必要となった理由に対応する措置を採っていることを確認しなければならない。この場合において,本人であることの確認は,必要に応じ規則第72条第2項各号に掲げる方法により行うものとし,登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と異なるときは,氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏を証する書面の提出も求めるものとする。
5 登記官は,不正登記防止申出を受けたときは,不正登記防止申出書類つづり込み帳に第2項の申出書及びその添付書面等の関係書類をつづり込むものとする。
6 前項の場合は,不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に,申出に係る不動産の不動産所在事項,申出人の氏名及び申出の年月日を記載するものとする。
7 登記官は,不正登記防止申出があった場合において,これを相当と認めるときは,前項の目録に本人確認の調査を要する旨を記載するものとする。
8 不正登記防止申出の日から3月以内に申出に係る登記の申請があったときは,速やかに,申出をした者にその旨を適宜の方法で通知するものとする。
本人確認の調査を完了したときも,同様とする。
9 登記官は,不正登記防止申出に係る登記を完了したときは,第2項の申出書を不正登記防止申出書類つづり込み帳から除却し,申請書(電子申請にあっては,電子申請管理用紙)と共に保管するものとする。この場合には,不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に,登記を完了した旨及び除却の年月日を記載するものとする。