戸籍全部事項証明書と戸籍個人事項証明書

戸籍全部事項証明書及び戸籍個人事項証明書は、戸籍事務をコンピュータ化した自治体(市区町村)が発行する証明書です。

このうち、戸籍に記載されている内容全部の証明書が戸籍全部事項証明書で、紙(帳簿)の戸籍の場合の戸籍謄本(戸籍全部を写して作成した証明書)にあたるものです。

謄本(とうほん)=原本の内容全部を写して作った文書。(デジタル大辞泉より引用)

戸籍個人事項証明書は、戸籍の記載のうち一部の人についての証明書で、紙の戸籍の場合の戸籍抄本(戸籍の一部の抜粋を写して作成した証明書)にあたるものです。

抄本(しょうほん)=原本のある一部分を書き抜いたもの。(デジタル大辞泉より引用)


戸籍法 第百十八条

1  法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織【=コンピュータ】によつて取り扱うことができる。
2  前項の指定は、市町村長の申出に基づき、告示してしなければならない。

戸籍法 第百十九条

1  前条第一項の場合においては、戸籍は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)に記録し、これをもつて調製する。
2  前項の場合においては、磁気ディスクをもつて調製された戸籍を蓄積して戸籍簿とし、磁気ディスクをもつて調製された除かれた戸籍を蓄積して除籍簿とする。

戸籍法 第百二十条

1  前条の規定により戸籍又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもつて調製されているときは、第十条第一項又は第十条の二第一項から第五項まで(これらの規定を第十二条の二において準用する場合を含む。)の請求は、戸籍謄本等又は除籍謄本等に代えて、磁気ディスクをもつて調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部【=戸籍全部事項証明書】又は一部【=戸籍個人事項証明】を証明した書面についてすることができる。
2  前項の磁気ディスクをもつて調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部【=戸籍全部事項証明書】又は一部【=戸籍個人事項証明】を証明した書面は、第百条第二項及び第百八条第二項の規定並びに旅券法 (昭和二十六年法律第二百六十七号)その他の法令の規定の適用については、戸籍又は除かれた戸籍の謄本又は抄本とみなす。

戸籍全部事項証明書の見本

(本籍・人物名等は架空のものです)

戸籍謄本の見本

(本籍・人物名等は架空のものです)

戸籍個人事項証明書の見本

(本籍・人物名等は架空のものです)

戸籍抄本の見本

(本籍・人物名等は架空のものです)

どちらを取得すべきでしょうか?

全部事項証明も一部(個人)事項証明も、料金は同じです。

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)と戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)は、大は小を兼ねるの関係ですが、どちらを取得すべきかは、使用目的によることになります。

例えば、相続手続きにおいて、亡くなった方の戸籍や除籍を遡り、相続人の範囲を確定する目的に使用する場合には、必ず戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が必要です。

理由

被相続人に関する個人事項証明書(抄本)を取得しても、戸籍内にいる法定相続人の記載がなく、相続関係を証明できないからです。

相続人の現在戸籍については、戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)で手続きは可能ですが、相続人と思われた人が既に死亡していた場合等、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を取りなおす必要が出てくる可能性はあります。

一方、提出先から個人事項(抄本)で可との指示がある場合で、情報の開示を最小限にしたい時には、戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)を選択されると良いでしょう。

※全部事項証明書(謄本)と個人事項証明書(抄本)で、発行手数料の差はありません。