①証明書の種類

建物の登記事項証明書の右上①部分には、登記事項証明書の種類が記載されます。

不動産の登記事項証明書には「全部事項証明書」「現在事項証明書」「一部事項証明書」「閉鎖事項証明書」があります。

「表題部」の記載事項については違いがありませんが、「甲区」と「乙区」については、それぞれの証明書の種類により記載される「登記記録の内容」が違います。

記載事項の比較表

詳しくは、☞ 【Q&A】不動産の全部事項証明書、現在事項証明書、一部事項証明書、閉鎖事項証明書はどう違うのですか?をご覧ください。

②不動産の種類

不動産には、土地と建物がありますので、その種類が表示されています。

不動産登記法 第二条(定義)

③「主である建物」と⑩「附属建物」 ⑪「符号」

「主である建物」は「平成21年2月20日 法務省民二第500号の通達」により改正されるまでは「主たる建物」と表記されていました。

附属建物とは主である建物に附属して、1個の建物として登記されるものを言います。

不動産登記法 第二条(定義)

例えば、主である建物に居住している人が使用する物置やトイレなどのように、効用上一体のものとして利用されている建物は、所有者の意思に反しないかぎり、附属建物として登記されます。

附属建物には、その附属建物を特定するための⑪符号が登記されます。

不動産登記事務取扱手続準則 第78条(建物の個数の基準)

附属建物には、その附属建物を特定するための⑪符号が登記されます。

不動産登記規則 第百十二条(家屋番号)

④不動産番号

不動産番号とは、不動産の表示の一つとして、不動産を特定するための13桁の数字をいいます。

1つの不動産について、1つの不動産番号が振られていて、重複する番号はありません。

コンピュータ化されていない不動産登記簿(いわゆる改製不適合簿)には、不動産番号は振られていません。

不動産登記規則 第一条(定義)

⑤所在

⑤所在欄には、建物の所在する「市、区、郡、町、村、字及び土地の地番」が記載されます。

不動産登記法 第四十四条(建物の表示に関する登記の登記事項)

「○丁目」も不動産の所在の一部に含まれるため、アラビア数字(1丁目)ではなく、漢数字(一丁目)で表記されます。

2筆以上の土地の上に、建物が立っている場合は「建物の床面積が多くかかっている土地の地番」又は「主たる建物の所在する土地の地番」が、最初に記載されます。

「番」ではなく「番地」と表記されます。

不動産登記事務取扱手続準則 第88条(建物の所在の記録方法)

⑥家屋番号

家屋番号とは、一個の建物ごとに法務局が付ける番号を言います。

「⑤所在」と合わせてその建物が特定できる点で、「④不動産番号」とは異なります。

コンピュータ化されていない登記簿でも「⑥家屋番号」はあります。

家屋番号は、原則として「敷地の地番」と同じ表記になります。

1筆の土地の上に、2個以上の建物がある場合は、支合(枝番)がつきます(ex. 248番22の2)。

2筆以上の土地の上に、1個の建物がある場合は、「建物の床面積が多くかかっている土地の地番」又は「主たる建物の所在する土地の地番」が家屋番号になります。

住居表示が実施されている地域では「⑥家屋番号」と「住所」は異なります。

不動産登記事務取扱手続準則 第79条(家屋番号の定め方)

⑦建物の種類

建物の種類とは、不動産登記法により認定されたその建物の主たる用途を言います。
建物の種類には、下記のようなものが定められています。

居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所、変電所、校舎,講堂,研究所,病院,診療所,集会所,公会堂,停車場,劇場,映画館,遊技場,競技場,野球場,競馬場,公衆浴場,火葬場,守衛所,茶室,温室,蚕室,物置,便所,鶏舎,酪農舎,給油所

建物の主な用途が2種類以上のある場合は、「居宅・店舗」などのように表記されます。

不動産登記規則 第百十三条(建物の種類)
不動産登記事務取扱手続準則 第80条(建物の種類の定め方)

⑧建物の構造

不動産登記法の規定により「構成材料」「屋根の種類」「階数」に区分して、建物の構造は認定されます。

建物の構造は、その区分方法により下記のように分類されています。

「平家建(ひらやだて)」は「1階建」の意味で、一般的には「平屋建」と書かれることが多いですが、不動産登記規則により「平家建」と表記されています。書類作成の際などはご注意下さい。

不動産登記規則 第百十四条(建物の構造)
不動産登記事務取扱手続準則 第81条(建物の構造の定め方等)

⑨床面積

各階数ごとに、建物の床面積が登記されます。

少数点以下2桁まで、表記されます。

普通建物は、壁芯(かべしん)面積で測量します(区分建物は、内法(うちのり)面積)。

壁芯面積とは、壁の中心線を想定し、その中心線で囲まれた部分を計算して求められた面積です。

区分建物の内法(うちのり)面積は、壁の厚さ等を考慮せず、壁の内側の線で囲まれた部分の面積なので、壁芯面積のほうが内法面積より広くなります。

不動産登記規則 第百十五条(建物の床面積)

不動産登記において床面積に算入する計算方法は、建築確認申請や固定資産税評価などの場合とは異なるため、同じ建物の表示床面積が、それぞれの書類で違うことがあります。

1階車庫などの場合、3方向が壁で囲まれ、外気分断性があると認定できる場合は、不動産登記において床面積に含まれます。

登記研究 386 P95

天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階(特殊階)は,不動産登記における床面積に算入しません。

不動産登記事務取扱手続準則 第82条(建物の床面積の定め方)

⑧原因及びその日付

建物の種類、構造、床面積に変更があった場合に、変更などがあった「原因とその日付」が記載されます。

登記事項証明書を取得した際に、よく見かける原因には、下記のようなものがあります。

新築

建物が建築されて、下記のような要件を満たして「不動産登記法上の建物」と認定できる状態になったら、「新築」を原因として建物表題登記を申請することにより、新たな建物の登記簿が作成されます。

屋根及び周壁などの外気を分断するものを有すること

土地に定着したものであること

その目的とする用途に供し得る状態にあること

不動産登記規則 第百十一条(建物)

増築

建物を増築工事したことにより、床面積が増えた場合、増築の登記を申請します。

不動産登記法上、変更があった日から一月以内に増築による変更登記を申請しなければならないと定められています。

不動産登記法 第五十一条(建物の表題部の変更の登記)

増築工事により「建物の種類(主たる用途)」や「構造」も変更した場合は、同時に「種類変更」「構造変更」についても、表題登記を申請する必要があります。

滅失登記 (取毀し)

登記された建物が取り毀され、全体として建物の効用を失った状態になった場合、「取毀し」を原因として建物滅失登記を申請します。

建物滅失登記が申請されると、その建物の登記記録が閉鎖されます。

閉鎖された登記記録は、閉鎖事項証明書で確認できます。

コンピュータ移記

不動産登記簿が不動産登記事項証明書に電子化され、登記簿の記載内容が移される事を、一般的に「コンピュータ移記」とよんでいます。

詳しくは☞ 【Q&A】不動産登記簿謄本と不動産登記事項証明書は同じものですか?の記事をご覧ください。

そのコンピュータ移記に関する根拠条文は、「昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項」なので、下記のように登記官により記載されます。

コンピュータ移記の記載例

不動産登記法施行細則 附則第二条(昭和六三年八月二五日法務省令第三七号)(不動産の登記簿の改製)